郊外のしごと
日本の食の海外展開支援
エンパピリオ
小野 章子
自分ではじめることを選んだ転職
外資系の大手企業に8年間勤めていた小野章子さん。パソコンソフトのデジタル配信事業の立ち上げと運営に携わり、 2015 年1月に会社を退職しました。
「次を考えた時に、似たような外資系企業に転職するよりも自分で何か始めたいと思ったんです」
海外出張などもあり多忙だった会社員時代から、休暇になると国内旅行に行き、各地の食にふれるのが楽しみだったという小野さん。道の駅や物産展、地元に密着した小料理屋などを巡る中で出会ったのが、日本の食を支える小さな食品メーカーや生産者の人たちでした。
積み上げたノウハウで日本の食を海外へ
「自力で発信をしたりビジネスを展開することができないところも多くて、この味をもっと海外に広めたい、手助けになることを自分で何かできないかなと考えたんです」
ネット関係の分野であれば、積み上げた仕事のノウハウですぐに始めることができる。そう考えた小野さんは、食品の海外展開支援事業を行う会社“エンパピリオ”を起業し、日本の食を海外に向けて紹介するサイト“ CUPIDO”を立ち上げました。ライターや料理家、翻訳家などのスタッフと分業して構成された全文英語のサイトは写真も美しく、日本各地の食材を使ったレシピの紹介、味噌などの調味料ができるまでの工程をレポートしたコラムなど、内容も充実しています。
「海外の方からの反応も増えてきました。今後はサイトで得たものを活かし、実際に現地に出向いて、海外のバイヤーを対象としたオフラインの活動も始めたいです。広告収入などでサイト自体の収益も得ながら、日本の小さな食品メーカーさんの販路が海外に広がることを目指していきたいです」