郊外のしごと
アスリートが子供達に出張指導
ランニングコネクション
荒川優
陸上選手として活躍後の転機
中学時代から陸上を始め、100mで10秒5の記録を持ち、海外大会で準優勝など競技者としても輝かしい実績を持つ荒川優さん。転機が訪れたのは、地元の企業から所属選手にならないかとスカウトされた大学卒業の時期でした。「野球やサッカーなどのプロスポーツと違って、陸上はどこかの企業に所属しないと競技を続けられないんです。ただ、企業の業績に左右されたり、生活ギリギリのお給料しかいただけないのが現状で。 スカウトはお断りすることにしたんです」
企業に所属しても次第に競技から離れていく周囲の選手たちを目の当たりにし、 荒川さんはこの現状を変えるにはどうしたらいいのか考えるようになりました。「アスリートの技術や経験を、競技だけではなく社会に発信したり仕事につなげたい。そのためには、まずビジネスや経営について勉強しようと決めたんです」
MBA取得を経て起業へ
その後、一橋大学大学院の商学研究科で2年間猛勉強をしてMBA(経営学修士)を取得。実務経験も兼ねてIT 系のベンチャー企業でも働き、一橋大学陸上部のコーチも任されるなど多忙な2年間でした。そして在学中の2014年にランニング・コネクションを起業。現在は子どもたちに向けて走りの技術を出張指導したり、企業に所属したトップレベルの選手たちと一緒に、アスリートの練習法や健康管理などの情報を集めたWEBメディア“スポーツクラウド”を運営するなど、スポーツと人々をつなげる活動を続けています。
「出張指導では、子どもたちが走りを通して自信をつけ、顔つきが変わっていくのを見るとすごく嬉しいですね。最近では、北海道や静岡から指導の依頼が来ることも増え、広がりを感じ始めています。