郊外のしごと
コウカシタスクール前夜 #1
水埜知子
ぎりぎりまで悩んで、参加を決めた
漠然と「紅茶で何かしたい」という気持ちがあり、当時は紅茶屋に勤務していた水埜さん。コウカシタスクールのことはウェブで知り、過去の参加者のインタビュー記事を読んだり、会場の東小金井事業創造センターがどんなところか下見しようとしたり、参加するかどうかとても迷ったといいます。「過去の参加者の様子をみると、アイデアがたくさんあったり、すでに自分の事業をやっている人もいるようで、私のような『紅茶で何かしたい』というあいまいな状態で参加して大丈夫なのか不安でした最後の最後まで悩んで、開講の直前に申し込みました。「不安はあったけど、今やらなかったら今後もやらないだろうと思ったんです。えいやって感じでした」
アウトプットをたくさん経験した
意を決して参加したコウカシタスクール。講師の話を聞くだけで終わりではなく、自分の中にあるアイデアを発表する場面があったことが大きかったそうです。スクール参加から1年たち、当時使っていたファイルをめくりながら、振り返って話してくれます。「振り返ると、課題が大変だったなと(笑)。参加者はみんな、考えてきた自分のアイデアなどを相手に伝えることが求められたので」
自分の中にある思いをアウトプットする場は、他の人の話を聞く場でもあります。参加前に感じていた水埜さんの不安は、結果的に良い点につながりました。「他の人と比べて、という点が心配だったのですが、既に色々取り組まれている人の話は勉強になりました。自分の発表に対しても、たくさんのフィードバックをもらえました」
地域や仲間との縁がつながった
スクール参加後の春、やらなかったら後悔すると思ってシェア施設PO-TOに申し込み、お店をオープンしました。一緒に学んでいた仲間の言葉が背中を押してくれたそう。「自分のアイデアに対して、『やったほうがいいよ』と言ってくれた人がいたんです。実現できるかな、と気持ちが前に傾いたのは、その人のおかげです」スクールが終わっても、そこでの出会いが生きています。「同じ班に女性の主婦の方がいて、その人とはスクールが終わった今も連絡をとっています。通っているお菓子教室を紹介してもらって、そこに私の商品を置いてもらえる話で今進んでいるんです。同じ小金井に仲間ができました」
勤めていた紅茶屋さんも退職し、これからより自分のお店を頑張ろうとしている今、穏やかな口調にも意志が表れます。「やっぱり自分でお店はじめてみて、色々課題とかも見えてからだと、スクールで言われていたことをより実感しますね。発信することが苦手なのですけど、これからがんばらなきゃと改めて思います」「やらなかったら後悔する」、よく聞く言葉ではありますが、思い切ってスクールに参加し、店舗オープンの夢を実現し、歩み続けている彼女が言うと、とても説得力がありました。自分から発信することと、仲間の存在、水埜さんにとってのそれのように、みなさんも自分を前に進めてくれる何かを今年のコウカシタスクールで見つけてみませんか。
水埜知子
小金井市在住。東小金井の高架下にあるPO-TOにて、ニュージーランドの紅茶を販売するPIKORUA を今年の春にオープン。お店では紅茶だけでなく、お茶にいれるハチミツなども扱う。